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法人化はどのタイミングでするべきか?私なら「今すぐ」と答える|エンジニア×経営者の実務ノウハウ

こんにちは。今日は法人化のタイミングについて説明したいと思う。

まずは私の話から始めよう。

私は10年間ほどフリーランスでITエンジニアとして活動していた。それから法人を設立して、現在は10期目になる。私が法人を設立した理由は、実は特にない。ただ「人生経験的に法人設立というものを体験してみたい」というのが正直な理由だ。私は興味があれば慎重に考えつつも、まずは飛び込まずにはいられない性格なのだ。正直に言うと法人を作るまではフリーランスのままで特に困ることはなかった。契約は顧客との信用によって勝ち取ってきたものだし、銀行から融資を受ける必要も特に感じなかった。

だが、今の私が仮に20年前のフリーランスを始めたばかりの私にアドバイスをするならば、こう言うだろう。

「今すぐに法人を作れ。今すぐにだ。」

さて、なぜこうなったのか。私の経験を踏まえて解説していこう。

よく言う「年商〇〇万円以上から法人化」は本当に正しいのか?

法人化を検討する時は「年商ベース」での基準がよく話題になる。

「経費の幅がフリーランスの時より大きくなる」
「節税がしやすい」
「健康保険や厚生年金などメリットがある」

など、金銭的な視点で語られることが多い。だが、私は長年の法人運営により、それ以上のメリットがあることに気が付いた。

法人化で得られる圧倒的な社会的信用

フリーランスでも法人でも私がやっていることは変わらない。ただシステムを開発して顧客の利益を守り、増やすことだ。顧客に提供している内容に差はない。

だが、法人には社会的な信用がある。フリーランスの時はクレジットカードを作るのも大変なほど、社会的な信用を得にくい場面がある。名刺を渡しても「ふーん、あっそ」のような態度をされることも少なくなかった。だが「法人の代表者」というだけで信頼のされ方は変わる。資金も調達しやすい(もちろん実績は必要だが)し、名刺を渡しても小さな会社でも法人の代表者というだけである程度尊重して扱われる。

それはなぜか。これは私の結論になるが、法人には「事業の継続性が高い」からだと思っている。法人の場合は複数人で事業を行いやすく、資金調達も比較的やりやすい。そのため、フリーランスに比べて事業の継続性が高いと判断される。そこに安心や信頼があるのではないかと私は思っている。

法人化で手に入る「有限責任」という保険

フリーランスは無限責任である。私は運良く大きな責任を問われるようなトラブルもなくフリーランスから抜け出すことができていたが、フリーランス時代に多額の損害賠償を取られる危険性は大いにあった。

それはシステム開発という「何億、何十億というお金が動くプロダクトの開発」をしていたのだから当然ありえた話である。正直、一介のフリーランスである私に大規模な開発を依頼してくれた顧客には感謝を忘れてはいけない。

これについては私の技術力だけで乗り越えたなどと言うつもりは毛頭なく、幸いにも大きなトラブルに至らなかっただけの話である。この無限責任のリスクについてはなぜ、ソフトウェア開発業務で「請負契約」の仕事をしないのかでも詳しく触れている。一歩間違えれば、一生かかっても払えない金額を背負っていた可能性も大いにある。

法人は有限責任である。出資金が私の最大限の責任範囲だ。もちろん善管注意義務などの責任はあるが、基本的に真面目に誠意ある仕事を積み重ねていけば、個人の全財産を失うようなリスクは大幅に軽減される。

もちろん、有限責任だから仕事を甘くやってもいいという都合のいい言い訳は存在しない。むしろフリーランスの時と違い、「組織の看板」を背負うことになり、その看板を守る責任が問われる。より引き締まった気持ちで仕事と向き合う必要があるだろう。

結論: 仕事によってはフリーランスにならずにすぐに法人化を検討してほしい

法人化の判断は金銭的なメリットで考えず「信用」と「保証」が必要になるかを判断材料として考えてほしい。たしかに法人にするにはお金がかかるし、その後も継続的な費用が必要となる。だからといって「信用」と「保証」については、お金には代えがたいメリットがある。

ただし、職種やビジネスモデルによって判断軸は異なる。私のようにシステム開発を専門とし、大きな金額が動くBtoBビジネスを手がけるエンジニアなら法人化するメリットは大いにある。自分のビジネスにおいて「信用」と「保証」がどれほど重要かを考えてみてほしい。

ビジネスで大切なのは「お金」だけではない。「信用」と「保証」も同じくらい大切である。

フリーランスとしての働き方や心構えについては独立・フリーランスの時間と心の向き合い方も参考にしてほしい。

また次回お会いしよう。

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